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From Local to Global 私と公衆衛生

リビング・ウィルと尊厳死法制化

第45回

日本尊厳死協会副理事長 岩尾總一郎(元厚労省医政局長)

2012年7月1日号

 本誌6月1日号の「眺望医薬街道」というコラムで、近藤正觀氏が「リビング・ウィル」(LW) 啓発の重要性について意見を述べている。論語の「死生命あり」という書き出しで、全日病の終末期ガイドラインの利用調査結果を解説している。尊厳死やLWの法的整備がない日本では、国民的コンセンサスのあるガイドライン(GL)が必要であるという意見である。  さて、私は6月3日、社団法人日本尊厳死協会の社員総会後の理事会で、井形昭弘先生ご勇退の後を受け、理事長に就任した。協会は法的拘束力を持たないGLではなく、医師が延命措置を中止しても免責される、尊厳死法の制定を求めている。なぜGLではダメなのか。現在進行中の上記法律案の進捗状況について書いてみたい。  最近20年間の終末期医療に関して報道された刑事事件は、91年の東海大学病院、98年川崎協同病院、04年北海道羽幌病院、0...  本誌6月1日号の「眺望医薬街道」というコラムで、近藤正觀氏が「リビング・ウィル」(LW) 啓発の重要性について意見を述べている。論語の「死生命あり」という書き出しで、全日病の終末期ガイドラインの利用調査結果を解説している。尊厳死やLWの法的整備がない日本では、国民的コンセンサスのあるガイドライン(GL)が必要であるという意見である。  さて、私は6月3日、社団法人日本尊厳死協会の社員総会後の理事会で、井形昭弘先生ご勇退の後を受け、理事長に就任した。協会は法的拘束力を持たないGLではなく、医師が延命措置を中止しても免責される、尊厳死法の制定を求めている。なぜGLではダメなのか。現在進行中の上記法律案の進捗状況について書いてみたい。  最近20年間の終末期医療に関して報道された刑事事件は、91年の東海大学病院、98年川崎協同病院、04年北海道羽幌病院、06年

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