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この国につけるクスリ 社会保障よもやま話

牛生レバー提供禁止

東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史

2012年7月1日号

 牛の生レバー(肝臓)提供が7月から禁止される。提供した飲食店は「食品衛生法」違反になり、悪質な場合は2年以下の懲役ないし200万円以下の罰金刑を課されることになるのだという。「四足の動物と川魚は生で食べるな」。親の言いつけを守って、ボクは未だ牛生レバーを食したことはないから、個人的には今回の規制強化による支障はないのだが、刑罰を振りかざしての禁止措置には、些か違和感がある。 牛の生レバーによって食中毒が起きたのは事実だし、国民の健康を守る観点から、注意喚起するのはいいことだ。だが、「食べさせた者は処罰する」となると、「政府にそこまでの権限があるの?」と首を傾げたくなる。 生レバーを食べたら必ず食中毒を起こすというのなら、禁止処分は当然だ。だが、これまでの生レバー喫食者のうちで、食中毒症状を起こした比率は極めてわずか。宝くじの当選率以下のはず...  牛の生レバー(肝臓)提供が7月から禁止される。提供した飲食店は「食品衛生法」違反になり、悪質な場合は2年以下の懲役ないし200万円以下の罰金刑を課されることになるのだという。「四足の動物と川魚は生で食べるな」。親の言いつけを守って、ボクは未だ牛生レバーを食したことはないから、個人的には今回の規制強化による支障はないのだが、刑罰を振りかざしての禁止措置には、些か違和感がある。 牛の生レバーによって食中毒が起きたのは事実だし、国民の健康を守る観点から、注意喚起するのはいいことだ。だが、「食べさせた者は処罰する」となると、「政府にそこまでの権限があるの?」と首を傾げたくなる。 生レバーを食べたら必ず食中毒を起こすというのなら、禁止処分は当然だ。だが、これまでの生レバー喫食者のうちで、食中毒症状を起こした比率は極めてわずか。宝くじの当選率以下のはずだ

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