新薬の市場環境を読む
開発競争激化の「前立腺がん治療薬」
第22回
バークレイズ・キャピタル証券株式調査部 関篤史
2012年6月15日号
米シカゴで開かれた今年のASCO(米国臨床腫瘍学会)で最大のトピックは、乳がん治療剤「T—DM1」(一般名=トラスツズマブ・DM1結合剤、ロシュ)と、前立腺がん治療剤「ザイティガ」(アビラテロン、ジョンソン・エンド・ジョンソン)の化学療法前の試験結果であろう。 ザイティガは、これまでに最も強い販売の伸びを欧州で示した。また、米国では「アバスチン」に次いで強い立ち上がりとなっており非常に期待値が高い。化学療法前データは、ザイティガのさらなる売上高成長に寄与するのだろうか。競合である米メディベーション社の「エンザルタミド」も良好なデータを示しており、すでに5月に米国で申請された。今後、前立腺がん治療剤市場はますます競合が激しくなるが、患者にとって治療選択肢が増えることになる。 では、ザイティガの化学療法前データは、どのようなものだっただろうか...
米シカゴで開かれた今年のASCO(米国臨床腫瘍学会)で最大のトピックは、乳がん治療剤「T—DM1」(一般名=トラスツズマブ・DM1結合剤、ロシュ)と、前立腺がん治療剤「ザイティガ」(アビラテロン、ジョンソン・エンド・ジョンソン)の化学療法前の試験結果であろう。 ザイティガは、これまでに最も強い販売の伸びを欧州で示した。また、米国では「アバスチン」に次いで強い立ち上がりとなっており非常に期待値が高い。化学療法前データは、ザイティガのさらなる売上高成長に寄与するのだろうか。競合である米メディベーション社の「エンザルタミド」も良好なデータを示しており、すでに5月に米国で申請された。今後、前立腺がん治療剤市場はますます競合が激しくなるが、患者にとって治療選択肢が増えることになる。 では、ザイティガの化学療法前データは、どのようなものだっただろうか。
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