医薬経済オンライン

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世界の医薬品業界

日本がますます主戦場となる理由

第63回

医薬評論家 五條正也

2012年6月15日号

 ユーロ危機で、新興国通貨が大幅に下落している。為替変動が大きい新興国から、投資マネーが米ドルに移っているためだ。表1に示したのは、BRICs4ヵ国と医薬品の新興市場として重要とされる13ヵ国のうち5ヵ国の通貨を米ドルに換算した場合の変動である。11年末には10年末より2ケタ下落した国もあったが、今年は2月から徐々に戻っており、3月1日時点ではロシアやインドなど昨年末に比べレートが2ケタ上昇した国もあった。しかし、6月1日時点では、ブラジル、ロシア、インド、南アフリカなどの下落率が12%を超えた。変動幅が制限されている中国元を除けば、6月1日の米ドル換算レートが表の時期のなかで最低となった新興国が多い。 世界の医薬品市場では今後数年間、伸び(増加額)のうちの半分以上が新興国になるとされ、大手メーカーは新興市場で売上高を伸ばすことが重要な課題となっている。だ...  ユーロ危機で、新興国通貨が大幅に下落している。為替変動が大きい新興国から、投資マネーが米ドルに移っているためだ。表1に示したのは、BRICs4ヵ国と医薬品の新興市場として重要とされる13ヵ国のうち5ヵ国の通貨を米ドルに換算した場合の変動である。11年末には10年末より2ケタ下落した国もあったが、今年は2月から徐々に戻っており、3月1日時点ではロシアやインドなど昨年末に比べレートが2ケタ上昇した国もあった。しかし、6月1日時点では、ブラジル、ロシア、インド、南アフリカなどの下落率が12%を超えた。変動幅が制限されている中国元を除けば、6月1日の米ドル換算レートが表の時期のなかで最低となった新興国が多い。 世界の医薬品市場では今後数年間、伸び(増加額)のうちの半分以上が新興国になるとされ、大手メーカーは新興市場で売上高を伸ばすことが重要な課題となっている。だが、

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