薬剤経済学
有効性比較研究の実際
第60回 糖尿病用薬の直接比較—体系的評価(下)
2012年6月15日号
W.L.ベネット(ジョンズ・ホプキンス大学)らの「2型糖尿病用薬の比較有効性・安全性:新薬と2剤併用を含む改訂」は、有効性直接比較研究(CER)の体系的レビューの対象を、2010年末まで166研究に広げることで、血糖値、体重、脂質、低血糖イベントに加えて、表3のように鬱血性心不全、骨折、消化器、肝臓、乳酸への影響も把握した(アナルズ・オブ・インターナル・メディシン2011年5月3日)。 多様な臨床指標の把握は患者特性に応じた処方設計の指針になる。しかも改訂版は、成熟期に入ったチアゾリジン(TZD)2剤の情報を拡充、DPP4阻害剤、GLP1作動薬の新薬情報に加え、併用療法に実践的な視点を提供している(腫瘍のリスク評価は研究が少なく評価できなかったが)。しかし、中間的指標を超えた慢性疾患管理の包括的な戦略評価になる長期臨床結果は、この拡大研究でも不満として残っ...
W.L.ベネット(ジョンズ・ホプキンス大学)らの「2型糖尿病用薬の比較有効性・安全性:新薬と2剤併用を含む改訂」は、有効性直接比較研究(CER)の体系的レビューの対象を、2010年末まで166研究に広げることで、血糖値、体重、脂質、低血糖イベントに加えて、表3のように鬱血性心不全、骨折、消化器、肝臓、乳酸への影響も把握した(アナルズ・オブ・インターナル・メディシン2011年5月3日)。 多様な臨床指標の把握は患者特性に応じた処方設計の指針になる。しかも改訂版は、成熟期に入ったチアゾリジン(TZD)2剤の情報を拡充、DPP4阻害剤、GLP1作動薬の新薬情報に加え、併用療法に実践的な視点を提供している(腫瘍のリスク評価は研究が少なく評価できなかったが)。しかし、中間的指標を超えた慢性疾患管理の包括的な戦略評価になる長期臨床結果は、この拡大研究でも不満として残った
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