技術革新と製薬企業の明日
「個の医療」が変える新薬開発
第23回
生島准
2012年6月15日号
5月29日、協和醗酵キリンが発売した「ポテリジオ」は中外製薬が05年6月に発売した第1号以来、実に7年ぶりの国産抗体医薬の実用化となった。「久々の快挙」といった報道も目についたが、しかし、日本の個の医療の本格的な幕開けとなったことに注目したメディアはほぼ皆無だった。ポテリジオ投与前に患者を鑑別する診断薬「ポテリジオテスト」は5月7日発売済みだった。発売時に、個の医療を可能とするコンパニオン診断薬の販売が間に合った日本初のケースとなった。新薬とコンパニオン診断薬の同時承認は、米国でも昨年8月に実現したばかり。厚生労働省も個の医療実現のため、今回は相当な汗をかいたと言えよう。 世界の製薬企業を眺めてみると、今やビジネスモデルに大きな分裂が始まったことがわかる。第一はノバルティスやメルクなどのビッグファーマが牽引する新興国を取り込んだ世界統一市場戦略で...
5月29日、協和醗酵キリンが発売した「ポテリジオ」は中外製薬が05年6月に発売した第1号以来、実に7年ぶりの国産抗体医薬の実用化となった。「久々の快挙」といった報道も目についたが、しかし、日本の個の医療の本格的な幕開けとなったことに注目したメディアはほぼ皆無だった。ポテリジオ投与前に患者を鑑別する診断薬「ポテリジオテスト」は5月7日発売済みだった。発売時に、個の医療を可能とするコンパニオン診断薬の販売が間に合った日本初のケースとなった。新薬とコンパニオン診断薬の同時承認は、米国でも昨年8月に実現したばかり。厚生労働省も個の医療実現のため、今回は相当な汗をかいたと言えよう。 世界の製薬企業を眺めてみると、今やビジネスモデルに大きな分裂が始まったことがわかる。第一はノバルティスやメルクなどのビッグファーマが牽引する新興国を取り込んだ世界統一市場戦略であ
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