各裁判所でこうも違う「認定」
「イレッサ」大阪高裁判決で原告が逆転敗訴
ノンフィクション作家 辰濃哲郎
2012年6月1日号
治療効果のある医薬品のなかには、そのメカニズムがわからないものが、少なからず存在する。
臨床試験の段階で、できるだけ多くの症例を集め、それをもとに手探りで添付文書を作成せざるを得ないのは、ある意味、やむを得ないことだ。
しかし、副作用については、効果のメカニズムが不明なだけに、より慎重でなければならない。
臨床試験段階で集められた副作用症例は、「因果関係あり」と白黒つけられるものばかりではない。ときには「因果関係は不明」ながらも、将来的には重大な副作用に結びつくものだってある。
かつて帯状疱疹治療薬「ソリブジン」の臨床試験段階で、フルオロウラシル系抗がん剤との相互作用が報告されていた。だが、これが軽視されたため、添付文書では十分な注意が喚起されず、市販後に16人が死亡する薬害事件に発展した。
5月25日、肺がん治療薬「イレッサ」を巡っ...
治療効果のある医薬品のなかには、そのメカニズムがわからないものが、少なからず存在する。
臨床試験の段階で、できるだけ多くの症例を集め、それをもとに手探りで添付文書を作成せざるを得ないのは、ある意味、やむを得ないことだ。
しかし、副作用については、効果のメカニズムが不明なだけに、より慎重でなければならない。
臨床試験段階で集められた副作用症例は、「因果関係あり」と白黒つけられるものばかりではない。ときには「因果関係は不明」ながらも、将来的には重大な副作用に結びつくものだってある。
かつて帯状疱疹治療薬「ソリブジン」の臨床試験段階で、フルオロウラシル系抗がん剤との相互作用が報告されていた。だが、これが軽視されたため、添付文書では十分な注意が喚起されず、市販後に16人が死亡する薬害事件に発展した。
5月25日、肺がん治療薬「イレッサ」を巡って
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