海外時報
〝注射剤ではない〟故の悲観論
「トファシチニブ」に見る薬剤給付の新事情
2012年6月1日号
5月9日、FDA(米食品医薬品局)諮問委員会が抗リウマチ性関節炎薬「トファシチニブ」の承認を勧める投票を行った直後、米国市場の将来に冷や水を浴びせる分析が発表された。
バイオ製剤の成功を象徴する抗TNF製剤に対抗できる初の経口剤(JAK阻害剤)として、ファイザーの〝ポスト・リピトール〟を担うこの期待の新薬は、抗TNF製剤が適さない患者に対するステップ療法の対象になり、3〜5割の定率負担という高額なスペシャリティ・ドラッグ(特殊薬剤)向けの階層に分類されるために伸び悩むという観測である。
確かにFDA委員会は、総じて「安全で効果的」と評価し、抗TNF製剤に反応しない患者への使用を8対2で支持した。だが、市販後の安全性研究を条件とし、「関節構造を保護する効果は確立されていない」との指摘もあった。
3月のレポートで経口剤がリウマチ薬市場を一変さ...
5月9日、FDA(米食品医薬品局)諮問委員会が抗リウマチ性関節炎薬「トファシチニブ」の承認を勧める投票を行った直後、米国市場の将来に冷や水を浴びせる分析が発表された。
バイオ製剤の成功を象徴する抗TNF製剤に対抗できる初の経口剤(JAK阻害剤)として、ファイザーの〝ポスト・リピトール〟を担うこの期待の新薬は、抗TNF製剤が適さない患者に対するステップ療法の対象になり、3〜5割の定率負担という高額なスペシャリティ・ドラッグ(特殊薬剤)向けの階層に分類されるために伸び悩むという観測である。
確かにFDA委員会は、総じて「安全で効果的」と評価し、抗TNF製剤に反応しない患者への使用を8対2で支持した。だが、市販後の安全性研究を条件とし、「関節構造を保護する効果は確立されていない」との指摘もあった。
3月のレポートで経口剤がリウマチ薬市場を一変させ
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