少数派経済観測
「ドル高円安」で、1ドル120円も
第1回
国際エコノミスト 今井澂
2012年5月15日号
“浜矩子ショック”とでも呼ぼうか、「1ドル50円説」の超円高恐怖の残像が、未だに大方の投資家の眼のなかにこびりついているらしい。とんでもない。私は、あと3、4年もすると1ドル100円から120円になると考えている。 理屈では円高は正しい。日本はデフレで物価はマイナス1%、米国は2%の物価上昇だからだ。 今、1個100円のリンゴがあるとしよう。米国で1ドルなら、為替レートは1ドル100円。ところが日本のデフレがこのまま続くと、翌年は1%下落する。一方で米国は2%上昇となると、99円と1ドル2セントになる。為替レートは97円強だ。この状態が16年繰り返されると、理屈では1ドル50円になってしまう。 しかし、現実は違う。輸出偏重型の日本産業界にとって、デフレは諸悪の根源だ。例えば家電業界は、安いレートを人工的につくり出している韓国勢に負けてしまっている。日銀が勝手な理論でおカネの...
“浜矩子ショック”とでも呼ぼうか、「1ドル50円説」の超円高恐怖の残像が、未だに大方の投資家の眼のなかにこびりついているらしい。とんでもない。私は、あと3、4年もすると1ドル100円から120円になると考えている。 理屈では円高は正しい。日本はデフレで物価はマイナス1%、米国は2%の物価上昇だからだ。 今、1個100円のリンゴがあるとしよう。米国で1ドルなら、為替レートは1ドル100円。ところが日本のデフレがこのまま続くと、翌年は1%下落する。一方で米国は2%上昇となると、99円と1ドル2セントになる。為替レートは97円強だ。この状態が16年繰り返されると、理屈では1ドル50円になってしまう。 しかし、現実は違う。輸出偏重型の日本産業界にとって、デフレは諸悪の根源だ。例えば家電業界は、安いレートを人工的につくり出している韓国勢に負けてしまっている。日銀が勝手な理論でおカネの供給
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