医薬経済オンライン

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時流遡航

原子力発電所問題の根底を探る

第4回

ジャーナリスト 本田成親

2012年5月15日号

 日本に原子力発電プラントを輸出した米国の場合には、その種の施設を建設するための基準として当初から極めて厳しい条件が定められていた。それらのなかでも最重要視されていたのは、「原発建設予定地は地盤が安定しており、周辺には原野や砂漠地帯など広大な人口過疎地が存在していること」、「重大事故発生時には周辺住民の即時避難が十分に可能なこと」の2条件であった。  日本国内で、これら2条件を十分満たせるような建設候補地を探すことは現実問題として不可能だったから、米国並みの安全基準の厳守を前提とするなら、その時点で原発の建設そのものを断念するしかなかった。  だが、国内への即時原発導入を望む政財界の意向は固く、「原発稼働によって国全体が大きな利益を受け、国民が快適な生活を送ることができるようになるなら、たとえそれらの要件が満たさ...  日本に原子力発電プラントを輸出した米国の場合には、その種の施設を建設するための基準として当初から極めて厳しい条件が定められていた。それらのなかでも最重要視されていたのは、「原発建設予定地は地盤が安定しており、周辺には原野や砂漠地帯など広大な人口過疎地が存在していること」、「重大事故発生時には周辺住民の即時避難が十分に可能なこと」の2条件であった。  日本国内で、これら2条件を十分満たせるような建設候補地を探すことは現実問題として不可能だったから、米国並みの安全基準の厳守を前提とするなら、その時点で原発の建設そのものを断念するしかなかった。  だが、国内への即時原発導入を望む政財界の意向は固く、「原発稼働によって国全体が大きな利益を受け、国民が快適な生活を送ることができるようになるなら、たとえそれらの要件が満たされて

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