医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

技術革新と製薬企業の明日

国産抗体医薬第2号「ポテリジオ」開発物語

第22回

生島准

2012年5月15日号

 国産抗体医薬第2号が近く発売される。第1号である中外製薬の「アクテムラ」(トシリズマブ)から実に7年、協和発酵キリンが創製した待望の「ポテリジオ」(モガムリズマブ)だ。日本企業が“抗体医薬の失われた15年〟を取り戻すべく、世界的な抗体医薬開発競争に復帰する皮切りとなった。 90年代、日本企業はバイオ医薬開発を見限り、生活習慣病薬のラスト・イン・クラスの開発に狂奔した。まさか、分子量15万もの抗体が医薬品になると、各社経営陣が見通せなかったためだ。しかし、当時でも帝人などが開発したポリクローン抗体(免疫グロブリン)や抗血清はすでに販売されており、抗体医薬自体は商品化可能であることは自明だった。問題は革新技術である遺伝子操作で抗体を工業的に製造できるか、適切な経営判断ができなかったことにある。 だが、生活習慣病の低分子医薬開発で出遅れた中外製薬と協...  国産抗体医薬第2号が近く発売される。第1号である中外製薬の「アクテムラ」(トシリズマブ)から実に7年、協和発酵キリンが創製した待望の「ポテリジオ」(モガムリズマブ)だ。日本企業が“抗体医薬の失われた15年〟を取り戻すべく、世界的な抗体医薬開発競争に復帰する皮切りとなった。 90年代、日本企業はバイオ医薬開発を見限り、生活習慣病薬のラスト・イン・クラスの開発に狂奔した。まさか、分子量15万もの抗体が医薬品になると、各社経営陣が見通せなかったためだ。しかし、当時でも帝人などが開発したポリクローン抗体(免疫グロブリン)や抗血清はすでに販売されており、抗体医薬自体は商品化可能であることは自明だった。問題は革新技術である遺伝子操作で抗体を工業的に製造できるか、適切な経営判断ができなかったことにある。 だが、生活習慣病の低分子医薬開発で出遅れた中外製薬と協和発

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence