医薬経済オンライン

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国内大手が見捨てたALK遺伝子

日本オリジンの発見がファイザーの「ザーコリ」で開花

(株)薬新 井高恭彦

2012年5月1日号

 ALK(未分化リンパ腫キナーゼ)融合遺伝子が非小細胞肺がんの発症に強く関与している──自治医科大学ゲノム機能研究部の間野博行教授が、それを突き止めたのは06年だった。「この遺伝子を持つ人の生活を変え得る発見だ。対象患者は少ないが、もの凄く有効な抗がん剤を開発することができる」。すぐに確証を得て、複数の国内製薬大手に、創薬の研究開発を働きかけた。だが、結果は惨敗。すべて断わられた。ところが、間野氏の提案を突き返した国内製薬大手は、数年後、自らの判断ミスを深く恥じることになる。  間野氏は07年7月、電子版ネイチャー誌上で、ALK融合遺伝子が非小細胞肺がんの強力な発症因子だとの論文を公表。これをもとに、ファイザーが抗がん剤の研究開発を進め、新薬「ザーコリ」(一般名クリゾチニブ)として見事に開花させた。11年3月に日米同時申請し、米国では同年8月、日本...  ALK(未分化リンパ腫キナーゼ)融合遺伝子が非小細胞肺がんの発症に強く関与している──自治医科大学ゲノム機能研究部の間野博行教授が、それを突き止めたのは06年だった。「この遺伝子を持つ人の生活を変え得る発見だ。対象患者は少ないが、もの凄く有効な抗がん剤を開発することができる」。すぐに確証を得て、複数の国内製薬大手に、創薬の研究開発を働きかけた。だが、結果は惨敗。すべて断わられた。ところが、間野氏の提案を突き返した国内製薬大手は、数年後、自らの判断ミスを深く恥じることになる。  間野氏は07年7月、電子版ネイチャー誌上で、ALK融合遺伝子が非小細胞肺がんの強力な発症因子だとの論文を公表。これをもとに、ファイザーが抗がん剤の研究開発を進め、新薬「ザーコリ」(一般名クリゾチニブ)として見事に開花させた。11年3月に日米同時申請し、米国では同年8月、日本で

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