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新薬の市場環境を読む

強気弱気が交錯する次世代CML薬

第19回

バークレイズ・キャピタル証券株式調査部 関篤史

2012年5月1日号

 慢性骨髄性白血病(CML)は血液のがんであり、芽球と呼ばれる異常白血球が秩序なく骨髄で産生されるのが特徴だ。芽球は未分化であり、通常の機能を持たない。これら芽球が増殖すると、通常の血球細胞が不足してしまう。  グローバルのCML市場は患者数約5・5万人、約45億ドル(約3600億円)である。第1世代のチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)であるノバルティスの「グリベック」(イマチニブ)はCMLを慢性疾患へ変え、市場最大のシェアを誇る。第2世代のTKIであるブリストルマイヤーズスクイブの「スプリセル」(ダサチニブ)やノバルティスの「タシグナ」(ニロチニブ)はフロントラインCMLとして承認され、合わせて約20%のシェアを獲得している。  米アリアドの「ポナチニブ」は開発継続中で、これまで開発されたTKIのなかで最も効果が高いと見ている。第Ⅰ相試験で66%の患者...  慢性骨髄性白血病(CML)は血液のがんであり、芽球と呼ばれる異常白血球が秩序なく骨髄で産生されるのが特徴だ。芽球は未分化であり、通常の機能を持たない。これら芽球が増殖すると、通常の血球細胞が不足してしまう。  グローバルのCML市場は患者数約5・5万人、約45億ドル(約3600億円)である。第1世代のチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)であるノバルティスの「グリベック」(イマチニブ)はCMLを慢性疾患へ変え、市場最大のシェアを誇る。第2世代のTKIであるブリストルマイヤーズスクイブの「スプリセル」(ダサチニブ)やノバルティスの「タシグナ」(ニロチニブ)はフロントラインCMLとして承認され、合わせて約20%のシェアを獲得している。  米アリアドの「ポナチニブ」は開発継続中で、これまで開発されたTKIのなかで最も効果が高いと見ている。第Ⅰ相試験で66%の患者が細

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