医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

「モーラス」低迷で逆境の久光製薬

一本足経営脱却の成長ストーリーを描けるか

2012年5月1日号

 経営者にもファンが多い塩野七生の『ローマ人の物語』。作品の後半では、広大な版図を誇ったローマ帝国が為政者の不注意や驕り、油断によってみるみる衰退していく様が、各時代を代表する主要人物らの言動を通じて生き生きと描かれている。  王政ローマの誕生から西ローマ帝国の滅亡に至るおよそ1200年間の叙事詩的物語を、165年の歴史を持つ会社とはいえ、日本の一製薬企業と比べるのは不釣り合いかもしれない。だが、戦後、貼付剤で一大王国を築いた久光製薬にも、後述するように、ピークアウトを予見させる不吉な兆候が、このところ現れ始めている。株価も、4月10日に発表された13年2月期決算予想に対する失望売りから、かつてない勢いで急落し、以前の水準に戻っていない。  そうした状況のもと、在任31年目に入る中冨博隆社長は、父から受け継いだ会社を再び成長軌道に乗せられるのか。市場の...  経営者にもファンが多い塩野七生の『ローマ人の物語』。作品の後半では、広大な版図を誇ったローマ帝国が為政者の不注意や驕り、油断によってみるみる衰退していく様が、各時代を代表する主要人物らの言動を通じて生き生きと描かれている。  王政ローマの誕生から西ローマ帝国の滅亡に至るおよそ1200年間の叙事詩的物語を、165年の歴史を持つ会社とはいえ、日本の一製薬企業と比べるのは不釣り合いかもしれない。だが、戦後、貼付剤で一大王国を築いた久光製薬にも、後述するように、ピークアウトを予見させる不吉な兆候が、このところ現れ始めている。株価も、4月10日に発表された13年2月期決算予想に対する失望売りから、かつてない勢いで急落し、以前の水準に戻っていない。  そうした状況のもと、在任31年目に入る中冨博隆社長は、父から受け継いだ会社を再び成長軌道に乗せられるのか。市場の語り

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence