眺望 医薬街道
市町村国保は救済できるのか
近藤正觀
2012年5月1日号
国民健康保険法の一部改正法案が3月30日の衆議院本会議で可決成立した。市町村国保の財政運営を15年度から都道府県単位に広域化するためのものだ。12年4月には都道府県調整交付金を7%から9%に引き上げ、一方で定率国庫負担を34%から32%に引き下げる。15年からは「財政基盤強化策を恒久化」することや、市町村国保の都道府県単位の共同事業について事業対象を全医療費に拡大するとしている。 基盤強化の具体策では、①保険者支援制度として、保険料が軽減される低所得者数に応じて保険者に財政支援する②高額医療費共同事業について、1件80万円超の高額医療費に関し都道府県内の全市町村が拠出し単年度の負担の変動を緩和する③財政共同安定化事業として、1件30万円超の医療費について、都道府県内の全市町村の拠出により共同で負担する──などだ。公費投入を拡大する案となってはいるが不十分である。...
国民健康保険法の一部改正法案が3月30日の衆議院本会議で可決成立した。市町村国保の財政運営を15年度から都道府県単位に広域化するためのものだ。12年4月には都道府県調整交付金を7%から9%に引き上げ、一方で定率国庫負担を34%から32%に引き下げる。15年からは「財政基盤強化策を恒久化」することや、市町村国保の都道府県単位の共同事業について事業対象を全医療費に拡大するとしている。 基盤強化の具体策では、①保険者支援制度として、保険料が軽減される低所得者数に応じて保険者に財政支援する②高額医療費共同事業について、1件80万円超の高額医療費に関し都道府県内の全市町村が拠出し単年度の負担の変動を緩和する③財政共同安定化事業として、1件30万円超の医療費について、都道府県内の全市町村の拠出により共同で負担する──などだ。公費投入を拡大する案となってはいるが不十分である。
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