医薬経済オンライン

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審査建言

一貫したリスクマネジメントの再構築を

医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団理事長 土井脩

2012年4月15日号

 従来、企業であっても行政機関であっても、医薬品の審査と安全対策(リスクマネジメント)は〝別物〟とされてきた。安全対策は審査が正しく行われているかをチェックするのが仕事で、審査とはむしろ対立する概念とさえ捉えられていた。市場に出た新薬で新たな副作用が報告されると、「新薬で副作用発見、杜撰な新薬審査」というような誤った考えに審査は晒されることが度々だった。  現在では、国際的にも開発・審査段階で全ての副作用を見つけ出すなど、不可能であることは常識になっている。だが、新薬開発、治験の限界が社会的に理解されるようになったのは、ごく最近のことである。  薬害エイズ事件の後にも、審査に対するチェック機能を強化するため、安全部門は当時の厚生省から別の組織に移すべきだとの強い意見が外部から上がっていた。しかし、厚生省は審査と安全対策は対立するものではな...  従来、企業であっても行政機関であっても、医薬品の審査と安全対策(リスクマネジメント)は〝別物〟とされてきた。安全対策は審査が正しく行われているかをチェックするのが仕事で、審査とはむしろ対立する概念とさえ捉えられていた。市場に出た新薬で新たな副作用が報告されると、「新薬で副作用発見、杜撰な新薬審査」というような誤った考えに審査は晒されることが度々だった。  現在では、国際的にも開発・審査段階で全ての副作用を見つけ出すなど、不可能であることは常識になっている。だが、新薬開発、治験の限界が社会的に理解されるようになったのは、ごく最近のことである。  薬害エイズ事件の後にも、審査に対するチェック機能を強化するため、安全部門は当時の厚生省から別の組織に移すべきだとの強い意見が外部から上がっていた。しかし、厚生省は審査と安全対策は対立するものではなく

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