技術革新と製薬企業の明日
中外製薬がめざす初のリサイクリング抗体
第21回
生島准
2012年4月15日号
4月の薬価改定で、中外製薬の抗体医薬「アクテムラ」(トシリズマブ)は最大幅である25%の薬価引き下げを余儀なくされた。薬効と安全性が評価され、売上げが急増した結果である。あまりに自由市場からかけ離れた日本の医薬市場に中外の歯ぎしりが聞こえてくるようだ。だが、調べてみると、同社はすでにこうした日本市場の矛盾を乗り越えるべく、先手を打って次世代のアクテムラの臨床開発に着手していた。誠に強かな先進バイオ企業でもあるのだ。 アクテムラは中外が大阪大学と共同開発、日本初の抗体医薬として颯爽と05年にデビューした。阪大研究陣が突き止めた免疫系のB細胞の活性化因子、インターロイキン6(IL6)の受容体と結合し、免疫の過剰な活性化を抑止する画期的なヒト化抗体医薬だ。当初はキャッスルマン病という希少疾病の治療薬として認可されたが、やがて本命のリウマチへと適応拡...
4月の薬価改定で、中外製薬の抗体医薬「アクテムラ」(トシリズマブ)は最大幅である25%の薬価引き下げを余儀なくされた。薬効と安全性が評価され、売上げが急増した結果である。あまりに自由市場からかけ離れた日本の医薬市場に中外の歯ぎしりが聞こえてくるようだ。だが、調べてみると、同社はすでにこうした日本市場の矛盾を乗り越えるべく、先手を打って次世代のアクテムラの臨床開発に着手していた。誠に強かな先進バイオ企業でもあるのだ。 アクテムラは中外が大阪大学と共同開発、日本初の抗体医薬として颯爽と05年にデビューした。阪大研究陣が突き止めた免疫系のB細胞の活性化因子、インターロイキン6(IL6)の受容体と結合し、免疫の過剰な活性化を抑止する画期的なヒト化抗体医薬だ。当初はキャッスルマン病という希少疾病の治療薬として認可されたが、やがて本命のリウマチへと適応拡大
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録