医薬経済オンライン

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眺望「医薬街道」

薬価差益は国民に還元すべき

近藤正觀

2012年4月15日号

 3月23日に厚生労働省の「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」が久しぶりに開催された。社会常識から逸脱している医療用医薬品の流通は、極めて特殊な形態ではあるが、違法性を探すことは困難。医薬品のサンプル品添付問題や仕切価格への移行は、いずれも生命関連商品である医薬品の「品位」を保つために相応しくないとして改善されてきた。だが、医薬品の納入が自由競争の下で行われる以上、製販流通業界内の競争は激しく、どの社も命運をかけた競争をしているのが現状だ。 誰も流通改善を本気でやろうとは思っていない。なぜか。 メーカーは高い仕切価格を設定することで薬価を防衛できる。2年に1度の薬価改定を最小の被害で抑えたいのが本音だ。しかし、競争の激しい市場では高い価格では勝負にならない。ここに登場するのが卸に対する「リベート/アローアンス」、つまり利益補填である。卸は...  3月23日に厚生労働省の「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」が久しぶりに開催された。社会常識から逸脱している医療用医薬品の流通は、極めて特殊な形態ではあるが、違法性を探すことは困難。医薬品のサンプル品添付問題や仕切価格への移行は、いずれも生命関連商品である医薬品の「品位」を保つために相応しくないとして改善されてきた。だが、医薬品の納入が自由競争の下で行われる以上、製販流通業界内の競争は激しく、どの社も命運をかけた競争をしているのが現状だ。 誰も流通改善を本気でやろうとは思っていない。なぜか。 メーカーは高い仕切価格を設定することで薬価を防衛できる。2年に1度の薬価改定を最小の被害で抑えたいのが本音だ。しかし、競争の激しい市場では高い価格では勝負にならない。ここに登場するのが卸に対する「リベート/アローアンス」、つまり利益補填である。卸は高

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