医薬経済オンライン

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この国につけるクスリ 社会保障よもやま話

診療報酬改定の着目点

東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史

2012年4月1日号

 この4月、診療報酬が改定された。引上げ幅は0.004%。そのなかで付けられるメリハリで、今後の保険診療は影響を受ける。 今回、注目したいのは次の2点。 ひとつ目は、「紹介状なしに大病院で受診する場合の初診料の引き下げ」(2700円→2000円)である。保険者や患者には朗報だが、病院経営はどうなる、と心配していたら、値下げ分の700円はそっくり患者の自己負担に転嫁できるのだという(金額は病院の裁量。700円超でも可)。 そもそも大病院=「診療所などからの紹介状を持った患者が行く施設」という建前からすれば、紹介状なき患者が直接大病院を受診することは起こり得ない。が、例えば日頃から健康で、かかりつけ医を持たない者が、見当のつかない痛みに襲われ、「これは大変」と大病院に駆け込むケースもある。そうした“例外”について、一律の禁止は難しいということで、これまで経済誘導策...  この4月、診療報酬が改定された。引上げ幅は0.004%。そのなかで付けられるメリハリで、今後の保険診療は影響を受ける。 今回、注目したいのは次の2点。 ひとつ目は、「紹介状なしに大病院で受診する場合の初診料の引き下げ」(2700円→2000円)である。保険者や患者には朗報だが、病院経営はどうなる、と心配していたら、値下げ分の700円はそっくり患者の自己負担に転嫁できるのだという(金額は病院の裁量。700円超でも可)。 そもそも大病院=「診療所などからの紹介状を持った患者が行く施設」という建前からすれば、紹介状なき患者が直接大病院を受診することは起こり得ない。が、例えば日頃から健康で、かかりつけ医を持たない者が、見当のつかない痛みに襲われ、「これは大変」と大病院に駆け込むケースもある。そうした“例外”について、一律の禁止は難しいということで、これまで経済誘導策がと

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