医薬経済オンライン

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あすか製薬の「信頼回復」道半ば

「攻めの経営」と裏腹な業容拡大リスク

2012年3月15日号

 昨年3月の東日本大震災は製薬各社にもさまざまな爪痕を残した。幸い、業界が被った損害は工場の被災やサプライチェーンの寸断が主で、人的被害が比較的少なかったことは他業界との比較論に過ぎないが、救いではあった。しかし、厳しい状況に追い込まれた会社もいくつか現れた。その代表はあすか製薬だろう。  前身の帝国臓器製薬が05年10月にグレラン製薬を吸収合併して以来、大手メディアに取り上げられることはまずなかった同社が、甲状腺ホルモン製剤「チラーヂンS錠」の深刻な供給不安から俄かに注目を集めることになった。  地震の激しい揺れで、いわき工場(福島県いわき市)のなかでも最新鋭であったはずの「第三製剤棟」で製造ラインや立体倉庫が損壊。国内シェア98%という独占製品でありながら、社内在庫は約1ヵ月分しかなかった。切迫した状況のなか、厚生労働省や日本医師会、日本内分...  昨年3月の東日本大震災は製薬各社にもさまざまな爪痕を残した。幸い、業界が被った損害は工場の被災やサプライチェーンの寸断が主で、人的被害が比較的少なかったことは他業界との比較論に過ぎないが、救いではあった。しかし、厳しい状況に追い込まれた会社もいくつか現れた。その代表はあすか製薬だろう。  前身の帝国臓器製薬が05年10月にグレラン製薬を吸収合併して以来、大手メディアに取り上げられることはまずなかった同社が、甲状腺ホルモン製剤「チラーヂンS錠」の深刻な供給不安から俄かに注目を集めることになった。  地震の激しい揺れで、いわき工場(福島県いわき市)のなかでも最新鋭であったはずの「第三製剤棟」で製造ラインや立体倉庫が損壊。国内シェア98%という独占製品でありながら、社内在庫は約1ヵ月分しかなかった。切迫した状況のなか、厚生労働省や日本医師会、日本内分泌

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