医薬経済オンライン

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海外時報

製薬業界を覆う財政逼迫の影

「価値に基づく薬価」の行方

2012年3月15日号

 財政破綻の回避に向け、追加融資を決めたEUに恭順の意を表すギリシャの新たな歳出削減は、総額32億ユーロのうち10億ユーロを薬剤費で捻り出すという荒技になった。  2年前の2割を超える薬価削減、昨秋の欧州で最も薬価の低い3ヵ国を指標にした参照価格制の導入で、すでに製薬大手は逃げ腰になっていたが、今回は年間総額28.8億ユーロで公的保険は支払いを止める。そこから先は製薬会社の持ち出しという、問答無用の上限制を入れた。薬剤費支払いはジェネリック価格分のみ、医師は指定の電子処方システムの使用を求められ、一般名ではなくブランド名で処方箋を出すと、刑事罰を問われかねない。  IMF(国際通貨基金)の指示は、「公的保険薬剤費をGDPの1%に削ぎ落とせ」というものだった。欧州最低の18%というジェネリック利用率もあって、可能なはずというこの要求に、なんとか1.4%で手...  財政破綻の回避に向け、追加融資を決めたEUに恭順の意を表すギリシャの新たな歳出削減は、総額32億ユーロのうち10億ユーロを薬剤費で捻り出すという荒技になった。  2年前の2割を超える薬価削減、昨秋の欧州で最も薬価の低い3ヵ国を指標にした参照価格制の導入で、すでに製薬大手は逃げ腰になっていたが、今回は年間総額28.8億ユーロで公的保険は支払いを止める。そこから先は製薬会社の持ち出しという、問答無用の上限制を入れた。薬剤費支払いはジェネリック価格分のみ、医師は指定の電子処方システムの使用を求められ、一般名ではなくブランド名で処方箋を出すと、刑事罰を問われかねない。  IMF(国際通貨基金)の指示は、「公的保険薬剤費をGDPの1%に削ぎ落とせ」というものだった。欧州最低の18%というジェネリック利用率もあって、可能なはずというこの要求に、なんとか1.4%で手を打

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