時流遡航
東日本大震災の深層を見つめて
第14回
ジャーナリスト 本田成親
2012年3月15日号
東日本大震災から丸1年が経った。表面的には震災直後の一連の悲惨な事態も収まってきているように思われるが、現実にはごく一部で復興作業が始まったばかりで、完全復興までにはなお気の遠くなりそうな道程が待ち受けている。
被害の規模がこれほどに大きくなったのは、東日本沿岸各地を襲った津波のエネルギーが、従来の「津波」という概念を一変するほどに凄まじいものであったからにほかならない。そして、その事実を何よりもよく物語っているのが、宮城県南部から福島県東部に至る太平洋沿岸地域の予想だにしていなかった被災状況である。
仙台市東部の若林地区から名取、岩沼、亘理、山元の宮城県内各地を経て福島県の新地、相馬、南相馬、浪江、双葉、楢葉、そしていわきに至る150㎞以上の海岸線は、岩手や宮城北部のリアス式海岸のそれとは異なり、長く緩やか...
東日本大震災から丸1年が経った。表面的には震災直後の一連の悲惨な事態も収まってきているように思われるが、現実にはごく一部で復興作業が始まったばかりで、完全復興までにはなお気の遠くなりそうな道程が待ち受けている。
被害の規模がこれほどに大きくなったのは、東日本沿岸各地を襲った津波のエネルギーが、従来の「津波」という概念を一変するほどに凄まじいものであったからにほかならない。そして、その事実を何よりもよく物語っているのが、宮城県南部から福島県東部に至る太平洋沿岸地域の予想だにしていなかった被災状況である。
仙台市東部の若林地区から名取、岩沼、亘理、山元の宮城県内各地を経て福島県の新地、相馬、南相馬、浪江、双葉、楢葉、そしていわきに至る150㎞以上の海岸線は、岩手や宮城北部のリアス式海岸のそれとは異なり、長く緩やかな曲
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