医薬経済オンライン

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技術革新と製薬企業の明日

成熟してきたPD法による抗体医薬開発

第20回

生島准

2012年3月15日号

 10年に世界の医薬品売上高(ユートブレーン調査)でトップ10入りした「ヒュミラ」(アダリムマブ)は、世界で初めて人工的な免疫系で選抜された抗体医薬である。完全ヒト抗体第1号商品でもあるヒュミラを世に送り出したのは、ファージディスプレイ法(PD法)という耳慣れない技術だ。PD法の開発も、抗体医薬の父である英国医学研究評議会(MRC)分子生物学研究所のグレゴリー・ウィンター卿が関与した。PD法の技術に基づいて起業した英ケンブリッジ・アンチボディ・テクノロジー(CAT)を、アストラゼネカに06年5月に売却することに成功、巨万のキャピタルゲインをMRCにもたらしたことが評価され、一代貴族の称号を与えられた。 世界の製薬企業の開発担当者が最も苦悩していたのが、よい抗体が必ずしも取れないという事実である。目的の抗原に高い親和力と特異性を備え、できれば抗体...  10年に世界の医薬品売上高(ユートブレーン調査)でトップ10入りした「ヒュミラ」(アダリムマブ)は、世界で初めて人工的な免疫系で選抜された抗体医薬である。完全ヒト抗体第1号商品でもあるヒュミラを世に送り出したのは、ファージディスプレイ法(PD法)という耳慣れない技術だ。PD法の開発も、抗体医薬の父である英国医学研究評議会(MRC)分子生物学研究所のグレゴリー・ウィンター卿が関与した。PD法の技術に基づいて起業した英ケンブリッジ・アンチボディ・テクノロジー(CAT)を、アストラゼネカに06年5月に売却することに成功、巨万のキャピタルゲインをMRCにもたらしたことが評価され、一代貴族の称号を与えられた。 世界の製薬企業の開発担当者が最も苦悩していたのが、よい抗体が必ずしも取れないという事実である。目的の抗原に高い親和力と特異性を備え、できれば抗体依存

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