「社長金縛り」でパフォーマンス低下
第一三共、市場は「期待半分、諦め半分」
2012年3月1日号
第一三共の中山讓治社長の影が薄い。社長昇格の内定発表直後こそサントリーの医薬部門出身という異色の経歴と、実父が中山太郎元外相、祖父が故中山福蔵参院議員という毛並みのよさ、そして上席役員4人ごぼう抜きの人事とで製薬業界の話題をさらった。
しかし、庄田隆会長から経営の舵を任されてからこの6月に丸2年が経過しようというのに、メディアの耳目を集めるのは、日本製薬団体連合会のトップを兼ねるという事情もあってか、未だに庄田会長のほうだ。
中山社長の存在が一向に目立たない理由は、いくつか考えられる。
まず旧三共にも旧第一製薬にもしがらみがないという経歴上の利点は、裏を返せば権力の存立基盤が希薄ということ。そうした“外様社長”が重みを発揮するには、第一三共内の人事権を完全に握らねばならない。だが、就任1年目の10年度にそれを手にすることは、通常のバトンタ...
第一三共の中山讓治社長の影が薄い。社長昇格の内定発表直後こそサントリーの医薬部門出身という異色の経歴と、実父が中山太郎元外相、祖父が故中山福蔵参院議員という毛並みのよさ、そして上席役員4人ごぼう抜きの人事とで製薬業界の話題をさらった。
しかし、庄田隆会長から経営の舵を任されてからこの6月に丸2年が経過しようというのに、メディアの耳目を集めるのは、日本製薬団体連合会のトップを兼ねるという事情もあってか、未だに庄田会長のほうだ。
中山社長の存在が一向に目立たない理由は、いくつか考えられる。
まず旧三共にも旧第一製薬にもしがらみがないという経歴上の利点は、裏を返せば権力の存立基盤が希薄ということ。そうした“外様社長”が重みを発揮するには、第一三共内の人事権を完全に握らねばならない。だが、就任1年目の10年度にそれを手にすることは、通常のバトンタッチ
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