「専門医」のハードルを上げるべき

眺望　医薬街道

「専門医」のハードルを上げるべき

近藤正觀

2012年3月1日号

　厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」が2月16日に開かれた。この検討会の開催趣旨は「医師の質の一層の向上及び医師の偏在是正を図る」こと。質の向上と偏在解消の一石二鳥で解決しようと目論んでいるが、果たして達成されるのか疑問が湧く。「質の向上」と「偏在解消」は別問題と捉えられるからである。　08年時点の日本の全医師数は約28万人。一方、10年時点の「基本領域18学会」における専門医数は21万7000人にものぼる。なんと8割近い医師が専門医なのだ。主な学会員数と専門医数を挙げると、内科学会会員が約9万8000人、専門医（認定医を含む）は約8万5000人で74％を占める。同様に外科学会は会員3万9000人中約2万人で52.2％、また整形外科学会は会員約2万3000人中約1万7000人で74.8％が専門医だ。これを地域別でみると、関東が関西の1.6倍、九州沖縄の2.8倍もいる。人口10万人比でも最... 　厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」が2月16日に開かれた。この検討会の開催趣旨は「医師の質の一層の向上及び医師の偏在是正を図る」こと。質の向上と偏在解消の一石二鳥で解決しようと目論んでいるが、果たして達成されるのか疑問が湧く。「質の向上」と「偏在解消」は別問題と捉えられるからである。　08年時点の日本の全医師数は約28万人。一方、10年時点の「基本領域18学会」における専門医数は21万7000人にものぼる。なんと8割近い医師が専門医なのだ。主な学会員数と専門医数を挙げると、内科学会会員が約9万8000人、専門医（認定医を含む）は約8万5000人で74％を占める。同様に外科学会は会員3万9000人中約2万人で52.2％、また整形外科学会は会員約2万3000人中約1万7000人で74.8％が専門医だ。これを地域別でみると、関東が関西の1.6倍、九州沖縄の2.8倍もいる。人口10万人比でも最大1.

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