時流遡航
東日本大震災の深層を見つめて
第13回
ジャーナリスト 本田成親
2012年3月1日号
崎山展望台から女川市街方面に下ると、「廃墟」という言葉しか当て嵌めようのないような凄まじい光景が広がってきた。湾岸一帯が広域にわたって大規模な地盤沈下を起こして海水に浸かり、あちこちで車道も冠水してしまっていた。
かつて繁栄を誇っていた各種水産加工施設や観光施設を含む大型商業ビル群が、無残に歪み崩れた鉄骨を晒しながら折からの夕闇に沈もうとしている有り様には鬼気迫るものがあった。ほぼ手付かずの状態で津波被災した市街地全域が放置されたままになっていたので、その光景はより一層衝撃的だった。女川町では平地の諸施設や住宅は完全に壊滅し、死者・行方不明者数は1050人ほどに、また全壊した住宅数は3020戸にのぼった。
途中から急に狭まる女川湾の構造と、湾奥の平地のすぐ背後に傾斜地が広がる女川町の特殊な地形は、今回の津波の破壊...
崎山展望台から女川市街方面に下ると、「廃墟」という言葉しか当て嵌めようのないような凄まじい光景が広がってきた。湾岸一帯が広域にわたって大規模な地盤沈下を起こして海水に浸かり、あちこちで車道も冠水してしまっていた。
かつて繁栄を誇っていた各種水産加工施設や観光施設を含む大型商業ビル群が、無残に歪み崩れた鉄骨を晒しながら折からの夕闇に沈もうとしている有り様には鬼気迫るものがあった。ほぼ手付かずの状態で津波被災した市街地全域が放置されたままになっていたので、その光景はより一層衝撃的だった。女川町では平地の諸施設や住宅は完全に壊滅し、死者・行方不明者数は1050人ほどに、また全壊した住宅数は3020戸にのぼった。
途中から急に狭まる女川湾の構造と、湾奥の平地のすぐ背後に傾斜地が広がる女川町の特殊な地形は、今回の津波の破壊力を
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