世界の医薬品業界
米国の薬剤費と高額薬剤の価格問題
第59回
医薬評論家 五條正也
2012年2月15日号
米国政府は1月、10年の外来薬剤費が1.2%増の2591億ドルで、過去51年間で伸び率が最低になったと発表した。外来薬剤費は同年の医療費2.6兆ドルの10%を占めるが、全医療費は3.9%増えたので、薬剤費の比率は低下している。薬剤費の伸びが鈍化したのは、大型品の特許が切れて後発品に移行するものが増えたことが大きな理由だが、このほかにも処方数の伸びが低く抑えられたことや期待される新製品があまり登場しなかったこと、貧困者向け医療メディケイドのリベートが引き上げられたことが挙げられている。医療費がGDPに占める割合も17・9%に増加した。07年時点の将来予想では11年にGDPの17・5%としており、経済が伸びていないために医療費の割合が予想を上回って伸びている。
10年3月に成立したオバマ大統領の医療改革法(正式名称は「患者保護と支払い可能な医療法」)では、14年以降はメデ...
米国政府は1月、10年の外来薬剤費が1.2%増の2591億ドルで、過去51年間で伸び率が最低になったと発表した。外来薬剤費は同年の医療費2.6兆ドルの10%を占めるが、全医療費は3.9%増えたので、薬剤費の比率は低下している。薬剤費の伸びが鈍化したのは、大型品の特許が切れて後発品に移行するものが増えたことが大きな理由だが、このほかにも処方数の伸びが低く抑えられたことや期待される新製品があまり登場しなかったこと、貧困者向け医療メディケイドのリベートが引き上げられたことが挙げられている。医療費がGDPに占める割合も17・9%に増加した。07年時点の将来予想では11年にGDPの17・5%としており、経済が伸びていないために医療費の割合が予想を上回って伸びている。
10年3月に成立したオバマ大統領の医療改革法(正式名称は「患者保護と支払い可能な医療法」)では、14年以降はメディ
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録