ラテン転々
No.21
現地へと誘う物語
三山喬
2012年2月15日号
12年前、ラテンアメリカの地に暮らしてみようと思い立ったとき、出発に先立って、現地事情に詳しい専門家に何人か、会って回った。やみくもに取材をしたところで、読んでもらえなければ、意味がない。ついては前もって、ネタ探しの〝ツボ〟を把握しておこう。そんな狙いの下準備だった。 距離のうえでは日本から最も遠い大陸。親近感という面でも、普通の日本人にとって、アフリカや中東に次いで〝縁遠い地〟であることは間違いない(ちょうど裏返しの言い方になるのだが、南米に暮らし始めた後、大手出版社の総合月刊誌に持ち込んだ企画がボツになったとき、編集長から送られてきたメールが印象的だった。曰く、「海外のネタで日本人読者の関心を集めるのは、1に中国、2にアメリカ、ぐっと離れてヨーロッパです。それ以外の地域の話は、申し訳ありませんが、掲載できません」。企画の良し悪しや原稿...
12年前、ラテンアメリカの地に暮らしてみようと思い立ったとき、出発に先立って、現地事情に詳しい専門家に何人か、会って回った。やみくもに取材をしたところで、読んでもらえなければ、意味がない。ついては前もって、ネタ探しの〝ツボ〟を把握しておこう。そんな狙いの下準備だった。 距離のうえでは日本から最も遠い大陸。親近感という面でも、普通の日本人にとって、アフリカや中東に次いで〝縁遠い地〟であることは間違いない(ちょうど裏返しの言い方になるのだが、南米に暮らし始めた後、大手出版社の総合月刊誌に持ち込んだ企画がボツになったとき、編集長から送られてきたメールが印象的だった。曰く、「海外のネタで日本人読者の関心を集めるのは、1に中国、2にアメリカ、ぐっと離れてヨーロッパです。それ以外の地域の話は、申し訳ありませんが、掲載できません」。企画の良し悪しや原稿の出
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