この国につけるクスリ 社会保障よもやま話
社会保険の民主運営方法
東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史
2012年2月1日号
昨年12月、橋下徹大阪市長が誕生した。選挙戦を通じて橋本氏は、「統治機構のあり方を根本的に正す必要がある」と訴えていた。すなわち、府・市の行政の重複をなくし、すっきりした業務分担に改めるということだ。 統治機構を見直すということであれば、国と地方自治体との業務仕分けも、当然改革の射程に入ることになろう。橋本氏は府知事時代に、ダムや国道など“国直轄”の公共事業に府県が負担金を支払う「直轄事業負担金制度」について、「ボッタクリではないか」と支払いを一部拒否したことがあった。明細書もない一方的な請求に噛みついたものだったが、問題の根っこは「誰が事業の実施主体か」を不明瞭にした制度の枠組み自体にある。適正性を欠く発注が横行し、業者が潤い、政治家やお役人がおこぼれに与るという、公金を食いものにする我田引水の温床だ。 事業仕分けや行財政改革の本質は、...
昨年12月、橋下徹大阪市長が誕生した。選挙戦を通じて橋本氏は、「統治機構のあり方を根本的に正す必要がある」と訴えていた。すなわち、府・市の行政の重複をなくし、すっきりした業務分担に改めるということだ。 統治機構を見直すということであれば、国と地方自治体との業務仕分けも、当然改革の射程に入ることになろう。橋本氏は府知事時代に、ダムや国道など“国直轄”の公共事業に府県が負担金を支払う「直轄事業負担金制度」について、「ボッタクリではないか」と支払いを一部拒否したことがあった。明細書もない一方的な請求に噛みついたものだったが、問題の根っこは「誰が事業の実施主体か」を不明瞭にした制度の枠組み自体にある。適正性を欠く発注が横行し、業者が潤い、政治家やお役人がおこぼれに与るという、公金を食いものにする我田引水の温床だ。 事業仕分けや行財政改革の本質は、この
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