12年度薬価改革で「新たな火種」
「潮目」変わるも、先発・後発に「溝」
(株)薬新 井高恭彦
2012年1月15日号
かつて薬価は診療報酬の改定財源を生み出す「打ち出の小槌」と言われた。「市場実勢価を調べて、それに合わせる」という基本原則を踏み外す新ルールが、毎回不意打ちのように導入され、製薬業界は「恨み節」を唱えるのが精一杯だった。今でこそ「引き下げ財源を診療報酬に回す」という考えは消滅したものの、財源が厳しければ「薬価を叩く」という基本パターンは長年、変わらず。もはや現行制度に、アプリオリに組み込まれた「宿命」と諦め感さえ漂った。
しかし、12年度薬価制度改革で、潮目が変わった。業界が最優先要望事項に掲げていた新薬創出加算は「試行」とはいえ、一点の修正もなく「無傷」での継続が決定。長期収載品の追加引き下げも、財務省が強く「10%程度」を主張したにもかかわらず、「0・9%」に収まった。ビタミン剤については、「単なる栄養補給目的での使用」を保険から除外す...
かつて薬価は診療報酬の改定財源を生み出す「打ち出の小槌」と言われた。「市場実勢価を調べて、それに合わせる」という基本原則を踏み外す新ルールが、毎回不意打ちのように導入され、製薬業界は「恨み節」を唱えるのが精一杯だった。今でこそ「引き下げ財源を診療報酬に回す」という考えは消滅したものの、財源が厳しければ「薬価を叩く」という基本パターンは長年、変わらず。もはや現行制度に、アプリオリに組み込まれた「宿命」と諦め感さえ漂った。
しかし、12年度薬価制度改革で、潮目が変わった。業界が最優先要望事項に掲げていた新薬創出加算は「試行」とはいえ、一点の修正もなく「無傷」での継続が決定。長期収載品の追加引き下げも、財務省が強く「10%程度」を主張したにもかかわらず、「0・9%」に収まった。ビタミン剤については、「単なる栄養補給目的での使用」を保険から除外するこ
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