医薬経済オンライン

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技術革新と製薬企業の明日

これまでの常識が転覆する2012年

第18回

生島准

2012年1月15日号

 昨年の世界の製薬大手のリストラ状況から、今年の医薬産業を占ってみたい。年頭にまず最悪の状況を噛みしめて、未来を築かなくてはならない。 米国のニュースサイト、フィアスファーマ誌は毎年、過去1年間の製薬大手のレイオフ(解雇)ランキングを発表している(表)。11年にはトップ10(レイオフ数が多いという意味)合計で2万7000人以上が職を失ったことになる。少なくとも米国では、政府に次いで、民間ではトップのレイオフ数を製薬産業が行っている。 10年にはレイオフトップ10社が、計4万人を削減していた。米国の医療改革が進む結果起こる医薬品市場の成長力鈍化に備えて、新興国市場開拓に人員や資本を急速にシフトしたためだ。11年はこれほどではなかったが、ユーロ危機が後押しをした欧州の医薬品市場の価格引き下げ圧力によって、欧州でもリストラが進んだ。 こうした大手のリストラの背...  昨年の世界の製薬大手のリストラ状況から、今年の医薬産業を占ってみたい。年頭にまず最悪の状況を噛みしめて、未来を築かなくてはならない。 米国のニュースサイト、フィアスファーマ誌は毎年、過去1年間の製薬大手のレイオフ(解雇)ランキングを発表している(表)。11年にはトップ10(レイオフ数が多いという意味)合計で2万7000人以上が職を失ったことになる。少なくとも米国では、政府に次いで、民間ではトップのレイオフ数を製薬産業が行っている。 10年にはレイオフトップ10社が、計4万人を削減していた。米国の医療改革が進む結果起こる医薬品市場の成長力鈍化に備えて、新興国市場開拓に人員や資本を急速にシフトしたためだ。11年はこれほどではなかったが、ユーロ危機が後押しをした欧州の医薬品市場の価格引き下げ圧力によって、欧州でもリストラが進んだ。 こうした大手のリストラの背景

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