この国につけるクスリ 社会保障よもやま話
断指の治療費
東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史
2012年1月15日号
ベストセラーになっている『暴力団』(溝口敦著、新潮新書)を読んだ。「暴力団について、誰にでもわかりやすいよう…客観的に素直に書いた」(まえがき)とある通り、大いに新知識を得ることができた。 暴対法(92年施行)の存在にもかかわらず、なぜ暴力団がなくならないのか。「諸外国ではほとんど組織犯罪集団というグループそのものを違法としています」。「日本でいえば刑法に『暴力団はこれを禁止する。結成、運営、加盟、すべて禁止』という一項を追加したのと同じです」。しかるに日本では、「暴力団の存在を認めた上で…組員が手を出すいくつかの経済行為に中止命令を出(す)…こともあり得るという法律です」。「暴力団という組織犯罪集団の存在を認める法律を持っているのは、世界の中で日本だけなのです」(同書129〜132頁)。 思想信条を理由とした団体取締りは、民主主義社会の根幹を揺...
ベストセラーになっている『暴力団』(溝口敦著、新潮新書)を読んだ。「暴力団について、誰にでもわかりやすいよう…客観的に素直に書いた」(まえがき)とある通り、大いに新知識を得ることができた。 暴対法(92年施行)の存在にもかかわらず、なぜ暴力団がなくならないのか。「諸外国ではほとんど組織犯罪集団というグループそのものを違法としています」。「日本でいえば刑法に『暴力団はこれを禁止する。結成、運営、加盟、すべて禁止』という一項を追加したのと同じです」。しかるに日本では、「暴力団の存在を認めた上で…組員が手を出すいくつかの経済行為に中止命令を出(す)…こともあり得るという法律です」。「暴力団という組織犯罪集団の存在を認める法律を持っているのは、世界の中で日本だけなのです」(同書129〜132頁)。 思想信条を理由とした団体取締りは、民主主義社会の根幹を揺る
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