減益だが曙光が見え始めた中間決算
クレディスイス証券調査本部株式調査部ディレクター 酒井文義
2011年12月15日号
製薬主要企業の12年3月期中間決算は、アステラス製薬、小野薬品工業、大塚ホールディングスの3社以外は軒並み減益となった。濃淡の差はあるが、円高と主力製品の国内外での特許切れの影響がボディーブローのように効いている感がある。このまま収益低迷が長期化すると、最後の砦である研究開発費を確保できるのかという危惧が現実になるかもしれない。 しかし一方で、「今が収益の底」と言える企業もある。上記3社のうち、アステラスと小野がそれに該当する企業だろう。アステラスはハルナールやプログラフの特許切れにより海外からの収益が低下したが、泌尿器や感染症などの得意領域に経営資源を配分し、国内外で自社開発品と導入品を相次いで投入した結果、収益は回復途上にある。小野は新薬投入が滞ったために長期収載品比率が一時期90%直前まで上昇した。グラクティブ、イメンドカプセル、リバス...
製薬主要企業の12年3月期中間決算は、アステラス製薬、小野薬品工業、大塚ホールディングスの3社以外は軒並み減益となった。濃淡の差はあるが、円高と主力製品の国内外での特許切れの影響がボディーブローのように効いている感がある。このまま収益低迷が長期化すると、最後の砦である研究開発費を確保できるのかという危惧が現実になるかもしれない。 しかし一方で、「今が収益の底」と言える企業もある。上記3社のうち、アステラスと小野がそれに該当する企業だろう。アステラスはハルナールやプログラフの特許切れにより海外からの収益が低下したが、泌尿器や感染症などの得意領域に経営資源を配分し、国内外で自社開発品と導入品を相次いで投入した結果、収益は回復途上にある。小野は新薬投入が滞ったために長期収載品比率が一時期90%直前まで上昇した。グラクティブ、イメンドカプセル、リバスタ
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