医薬経済オンライン

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独親会社が「三行半」の現実味

内憂外患の末に空中分解前夜のエスエス製薬

2011年12月15日号

 ドイツ人にも“鬼門の年”という考え方があるとするなら、独ベーリンガーインゲルハイム(BI)の少なくともアジア担当の役員は、11年がまさにその年だと感じたに違いない。10年春におよそ300億円をかけて完全子会社化したばかりのエスエス製薬が、東日本大震災とそれに続く福島第1原発事故でインフラ機能を中心に損害を被り、具体的には明らかにされていないものの損失の計上と、事業戦略の練り直しを迫られる展開になったからだ。  とくに痛かったのが、ドリンク剤「エスカップ」や鎮咳去痰薬「ブロン液」などを製造していた福島工場の被災だろう。02年に最新鋭のラインと自動倉庫を新・増設するなど液剤の基幹工場として運営されてきたが、不幸にも第1原発から8㎞という至近に位置したため強制的に閉鎖され、従業員は配置転換。放射性物質が降り注いだ工場の土地・建物は事実上、永久放棄を強いら...  ドイツ人にも“鬼門の年”という考え方があるとするなら、独ベーリンガーインゲルハイム(BI)の少なくともアジア担当の役員は、11年がまさにその年だと感じたに違いない。10年春におよそ300億円をかけて完全子会社化したばかりのエスエス製薬が、東日本大震災とそれに続く福島第1原発事故でインフラ機能を中心に損害を被り、具体的には明らかにされていないものの損失の計上と、事業戦略の練り直しを迫られる展開になったからだ。  とくに痛かったのが、ドリンク剤「エスカップ」や鎮咳去痰薬「ブロン液」などを製造していた福島工場の被災だろう。02年に最新鋭のラインと自動倉庫を新・増設するなど液剤の基幹工場として運営されてきたが、不幸にも第1原発から8㎞という至近に位置したため強制的に閉鎖され、従業員は配置転換。放射性物質が降り注いだ工場の土地・建物は事実上、永久放棄を強いられる

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