この国につけるクスリ 社会保障よもやま話
自転車事故の医療費対策
東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史
2011年12月15日号
自転車による“交通事故”が跡を絶たない。自転車は道路交通法上「車両」であり、本来車道を走行しなくてはならないものだが、道路事情から一律そうもいくまいということで、例外的に歩道走行も認められてきた。だが、それが常態化し、今や「そこのけ」とばかりに歩行者を蹴散らし、猛スピードで駆け抜ける自転車もある。「歩行中の視覚障害者が、目の代わりと言える白杖(はくじょう)を走行中の自転車に折られるケースが相次いでいる」という記事があった。「白杖修理の原因は約3分の2が自転車との接触」とみる団体もあるそうで、関係者は「視覚障害者は白杖を折られたら一歩も動けない。自転車は注意を徹底してほしい」と呼びかけているとか。だが、呼びかけだけでは不十分。事故が起きてからでは遅いのだ。 10月下旬、警察庁は「自転車=車道通行」という“原則”が守られるよう、教育啓発と環境整備...
自転車による“交通事故”が跡を絶たない。自転車は道路交通法上「車両」であり、本来車道を走行しなくてはならないものだが、道路事情から一律そうもいくまいということで、例外的に歩道走行も認められてきた。だが、それが常態化し、今や「そこのけ」とばかりに歩行者を蹴散らし、猛スピードで駆け抜ける自転車もある。「歩行中の視覚障害者が、目の代わりと言える白杖(はくじょう)を走行中の自転車に折られるケースが相次いでいる」という記事があった。「白杖修理の原因は約3分の2が自転車との接触」とみる団体もあるそうで、関係者は「視覚障害者は白杖を折られたら一歩も動けない。自転車は注意を徹底してほしい」と呼びかけているとか。だが、呼びかけだけでは不十分。事故が起きてからでは遅いのだ。 10月下旬、警察庁は「自転車=車道通行」という“原則”が守られるよう、教育啓発と環境整備と取
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