一筆入魂
「震災」を「走る」ということ
「東北に思いを馳せて、私は、走る。」
ノンフィクション作家 辰濃哲郎
2011年12月1日号
いったい、いつごろから皇居を走るようになったのだろう。
ランニングを始めてもう10年になる。職場や生活環境が変わるたびに、私のホームグラウンドも、走る時間帯も変わる。
最初は築地の朝日新聞本社から、レインボーブリッジまでの往復約7キロだ。仕事が一息ついてからだから、走る時間帯もいつも深夜の零時前後だった。
好きな音楽を聴きながら、ゆっくり走る。スピードを出したら、息抜きの意味が半減してしまう。何より苦しい。
朝日を退社した後は、自宅すぐ裏にある世田谷公園を練習場にしていた。一周、1.1キロと小さいが、土日になれば家族連れでにぎわう、癒しの公園だ。
だが、いくら練習しても私のフルマラソンのタイムは、一向に縮まらない。始めた当初、5時間半ほどで走ったが、10年経った今も5時間を切ったことがない。「ゆっくりと、人に抜かれて走ることを誇りに思え」...
いったい、いつごろから皇居を走るようになったのだろう。
ランニングを始めてもう10年になる。職場や生活環境が変わるたびに、私のホームグラウンドも、走る時間帯も変わる。
最初は築地の朝日新聞本社から、レインボーブリッジまでの往復約7キロだ。仕事が一息ついてからだから、走る時間帯もいつも深夜の零時前後だった。
好きな音楽を聴きながら、ゆっくり走る。スピードを出したら、息抜きの意味が半減してしまう。何より苦しい。
朝日を退社した後は、自宅すぐ裏にある世田谷公園を練習場にしていた。一周、1.1キロと小さいが、土日になれば家族連れでにぎわう、癒しの公園だ。
だが、いくら練習しても私のフルマラソンのタイムは、一向に縮まらない。始めた当初、5時間半ほどで走ったが、10年経った今も5時間を切ったことがない。「ゆっくりと、人に抜かれて走ることを誇りに思え」とは
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