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この国につけるクスリ 社会保障よもやま話

無年金障害者の根本救済策

東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史

2011年12月1日号

 国民皆保険と並ぶ国民皆年金は、日本が世界に誇れる国民的資産である。逆に言えば、その国民誰もが受けられるはずの保障から漏れる者がいては、「看板に偽りあり」との謗りを免れない。ところが、国の推計では02年時点で、無年金障害者が全国で12万人もいた。 背景にあったのが、国民年金の任意加入制だ。基礎年金制度が導入される86年まで、サラリーマン家庭の専業主婦は任意加入の扱いだった。20歳以上の学生も91年まで任意扱いだった。任意だから、わざわざ保険料を払って加入する者は少数にとどまり、結果、当時の専業主婦・学生の大半が国民年金の保障から外れていた。このため、義務の不履行でもないのに無年金障害者となる者が続出した。 事態の改善が図られたのが05年。「強制加入制に改める法制度変更が遅れたことに政治的責任がある」という理由で、これらの無年金状態を解消するべく議員...  国民皆保険と並ぶ国民皆年金は、日本が世界に誇れる国民的資産である。逆に言えば、その国民誰もが受けられるはずの保障から漏れる者がいては、「看板に偽りあり」との謗りを免れない。ところが、国の推計では02年時点で、無年金障害者が全国で12万人もいた。 背景にあったのが、国民年金の任意加入制だ。基礎年金制度が導入される86年まで、サラリーマン家庭の専業主婦は任意加入の扱いだった。20歳以上の学生も91年まで任意扱いだった。任意だから、わざわざ保険料を払って加入する者は少数にとどまり、結果、当時の専業主婦・学生の大半が国民年金の保障から外れていた。このため、義務の不履行でもないのに無年金障害者となる者が続出した。 事態の改善が図られたのが05年。「強制加入制に改める法制度変更が遅れたことに政治的責任がある」という理由で、これらの無年金状態を解消するべく議員立法

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