薬剤経済学
有効性比較研究の実際
第46回 ARB製剤ランダム化研究の進展
2011年11月15日号
英グラスゴー大学のJ.J.V.マクマレーとK.スウェッドバーグは、欧州心不全雑誌の論説で、「心不全におけるアンジオテンシンⅡ受容体阻害剤の物語最終章HEAAL−10年の臨床試験から得た教訓」(2010年2月)を論じ、HEAAL研究まで10年間に心不全だけで7つの研究が進められ、もう十分、ARBランダム化研究の時代は終わりと宣言するときである、と総括した。 ACE阻害剤「カプトプリル」と「ロサルタン」の直接比較研究で、優位を確立できない失望を味わったELITE−2に始まり、ロサルタン1日150mg投与は1日50mgに比べ、全死亡・心不全入院合成率を4.7年に10%減らすと確認したHEAALまでの足取りである(有効性比較研究45参照)。 マクマレーらによれば、ARB臨床試験の展開は、疾患特定の合成死亡率の活用、対象患者特性の拡大(とくに心機能=駆出率の水準)、病態生...
英グラスゴー大学のJ.J.V.マクマレーとK.スウェッドバーグは、欧州心不全雑誌の論説で、「心不全におけるアンジオテンシンⅡ受容体阻害剤の物語最終章HEAAL−10年の臨床試験から得た教訓」(2010年2月)を論じ、HEAAL研究まで10年間に心不全だけで7つの研究が進められ、もう十分、ARBランダム化研究の時代は終わりと宣言するときである、と総括した。 ACE阻害剤「カプトプリル」と「ロサルタン」の直接比較研究で、優位を確立できない失望を味わったELITE−2に始まり、ロサルタン1日150mg投与は1日50mgに比べ、全死亡・心不全入院合成率を4.7年に10%減らすと確認したHEAALまでの足取りである(有効性比較研究45参照)。 マクマレーらによれば、ARB臨床試験の展開は、疾患特定の合成死亡率の活用、対象患者特性の拡大(とくに心機能=駆出率の水準)、病態生理
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