この国につけるクスリ 社会保障よもやま話
混合診療判決
東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史
2011年11月15日号
いわゆる「混合診療」に関する最高裁判決が出た(10月25日)。 原告は腎臓がん患者の男性。がん摘出後の骨転移の進行を止めるため、保険外のLAK療法と保険診療のインターフェロン療法を併用して受け、そのおかげで病状が悪化することなく日常生活を送ることができていた。しかし、それは国の禁ずる「混合診療」。病院が“こっそり”行っていた混合診療の事実は、週刊誌のスクープによって当局も知るところとなり、中止に追い込まれる。受療機会を失った原告が、「併用できること」の確認を司法に求めて06年に訴えたのが、この裁判である。 保険診療と保険適用外の療法を併用して受けると、わが国では原則として治療全体を「保険外」として取り扱うことになっている。患者にしてみれば、保険診療の部分も含めて全額自己負担を余儀なくされることになる。それは保険料を納めている被保険...
いわゆる「混合診療」に関する最高裁判決が出た(10月25日)。 原告は腎臓がん患者の男性。がん摘出後の骨転移の進行を止めるため、保険外のLAK療法と保険診療のインターフェロン療法を併用して受け、そのおかげで病状が悪化することなく日常生活を送ることができていた。しかし、それは国の禁ずる「混合診療」。病院が“こっそり”行っていた混合診療の事実は、週刊誌のスクープによって当局も知るところとなり、中止に追い込まれる。受療機会を失った原告が、「併用できること」の確認を司法に求めて06年に訴えたのが、この裁判である。 保険診療と保険適用外の療法を併用して受けると、わが国では原則として治療全体を「保険外」として取り扱うことになっている。患者にしてみれば、保険診療の部分も含めて全額自己負担を余儀なくされることになる。それは保険料を納めている被保険者の
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