この国につけるクスリ 社会保障よもやま話
自分の看病は疲れる
東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史
2011年11月1日号
インフルエンザではない。昔からあるただの風邪。普通は、この程度のことでみんなの保険料を使わせてもらうのは申し訳ないと、薬局で風邪薬を買い、後は部屋を暖かくしてベッドに潜り込む。だが、風邪を引いたらさっさと入院するという主義の人もいるらしい。 「だって、入院したら、ご飯出るし、検温してくれるし、ただ寝てテレビを見ているだけで治るから楽なんだもん」。作家の久田恵さんが新聞コラム(産経新聞7月28日)で述懐している。 おひとりさまの高齢者は増加の一途だ。時代の趨勢だし、経済的にそれが可能な時代になったということだから、高齢者のひとり暮らしに文句をつける筋合いではない。しかし、体調がよくないときには困ったことになる。 喉が痛く、体がだるく、悪寒がするので、薬屋さんに相談したら、「典型的な風邪の症状」と断定され、風邪薬を買ってマンションに帰ってきた...
インフルエンザではない。昔からあるただの風邪。普通は、この程度のことでみんなの保険料を使わせてもらうのは申し訳ないと、薬局で風邪薬を買い、後は部屋を暖かくしてベッドに潜り込む。だが、風邪を引いたらさっさと入院するという主義の人もいるらしい。 「だって、入院したら、ご飯出るし、検温してくれるし、ただ寝てテレビを見ているだけで治るから楽なんだもん」。作家の久田恵さんが新聞コラム(産経新聞7月28日)で述懐している。 おひとりさまの高齢者は増加の一途だ。時代の趨勢だし、経済的にそれが可能な時代になったということだから、高齢者のひとり暮らしに文句をつける筋合いではない。しかし、体調がよくないときには困ったことになる。 喉が痛く、体がだるく、悪寒がするので、薬屋さんに相談したら、「典型的な風邪の症状」と断定され、風邪薬を買ってマンションに帰ってきたが
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