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薬剤経済学

有効性比較研究の実際

第44回 カンデサルタンとロサルタンの心不全療法

2011年10月15日号

  「心不全患者における全死亡率─カンデサルタンとロサルタンの関係」は、代表的なARB2剤間の比較研究である(JAMA2011年1月12日)。 患者登録(レジストリー)のデータによると、2000〜2009年、スウェーデンの病院と外来クリニックで治療を受けた心不全患者3万254人のうち5139人が2剤いずれかを用いていた。平均74歳、39%が女性の患者群である。 2剤に無作為に患者を振り分ける直接比較研究でなく、日常診療を映すデータの分析は、患者特性が医師の薬剤選択に影響する可能性がある。プロペンシティー(患者性向)スコアと呼ばれる手法を通じて、2剤の治療群から特性の似た患者をペアにして分析対象にした。 マリア・エクリンド−セルベンカ(サウス・ホスピタル:ストックホルム)らスウェーデンの心臓血管疾患専門医が挙げた分析は、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤(ARB)投与開始...   「心不全患者における全死亡率─カンデサルタンとロサルタンの関係」は、代表的なARB2剤間の比較研究である(JAMA2011年1月12日)。 患者登録(レジストリー)のデータによると、2000〜2009年、スウェーデンの病院と外来クリニックで治療を受けた心不全患者3万254人のうち5139人が2剤いずれかを用いていた。平均74歳、39%が女性の患者群である。 2剤に無作為に患者を振り分ける直接比較研究でなく、日常診療を映すデータの分析は、患者特性が医師の薬剤選択に影響する可能性がある。プロペンシティー(患者性向)スコアと呼ばれる手法を通じて、2剤の治療群から特性の似た患者をペアにして分析対象にした。 マリア・エクリンド−セルベンカ(サウス・ホスピタル:ストックホルム)らスウェーデンの心臓血管疾患専門医が挙げた分析は、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤(ARB)投与開始から

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