医薬経済オンライン

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時流遡航

東日本大震災の深層を見つめて

第4回

ジャーナリスト 本田成親

2011年10月15日号

 3月11日に田老集落を襲った大津波は、自然に対する現代文明の傲慢な立ち居振る舞いに怒りの牙を剥き、人間社会の機能の限界やその矛盾のほどを改めて我われに見せつけた。幸い、田老では近年津波時における避難路が整備され、避難訓練も行われていたため、犠牲者の数だけはなんとか220名前後に抑えることができたという。そんな田老集落の被害状況に今一度思いを巡らせながら、次に我われがめざしたのは宮古だった。  国道伝いに走る車の高度が上がるに連れて周辺の木立の緑が再び色鮮やかになり、「津波浸水想定地域・ここまで」という表示板の立つ地点を過ぎると、若緑の輝きは一段と眩くなった。5月という特別な季節柄もあったとは言え、それはなんとも場違いな光景だった。宮古市街が近づく頃になると、私は三陸海岸で1、2を争う景勝地「浄土ヶ浜」の状況がひどく気になり始めた...  3月11日に田老集落を襲った大津波は、自然に対する現代文明の傲慢な立ち居振る舞いに怒りの牙を剥き、人間社会の機能の限界やその矛盾のほどを改めて我われに見せつけた。幸い、田老では近年津波時における避難路が整備され、避難訓練も行われていたため、犠牲者の数だけはなんとか220名前後に抑えることができたという。そんな田老集落の被害状況に今一度思いを巡らせながら、次に我われがめざしたのは宮古だった。  国道伝いに走る車の高度が上がるに連れて周辺の木立の緑が再び色鮮やかになり、「津波浸水想定地域・ここまで」という表示板の立つ地点を過ぎると、若緑の輝きは一段と眩くなった。5月という特別な季節柄もあったとは言え、それはなんとも場違いな光景だった。宮古市街が近づく頃になると、私は三陸海岸で1、2を争う景勝地「浄土ヶ浜」の状況がひどく気になり始めた。大

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