医薬経済オンライン

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技術革新と製薬企業の明日

次世代の治療薬「ポリクローナル抗体」

第15回

生島准

2011年10月15日号

 抗体医薬の元祖は北里柴三郎とベーリングが1890年に確立した破傷風とジフテリアの血清療法だ。最大の違いは、現在の抗体医薬が単一の抗体(モノクローナル抗体)分子なのに対して、血清療法は多種の抗体が混在するポリクローナル抗体である点。抗体医薬の開発では、当然ながらモノクローナル抗体の商品化が進められていたが、ここに大きな落し穴はないのだろうか。これまでモノクローナル抗体とポリクローン抗体の治療効果を厳密に評価した臨床試験は行われてこなかったが、昨年から抗体医薬の併用やポリクローナル抗体の開発に再び脚光が当たってきた。まさに温故知新である。 本来免疫反応は、外部から侵入したウイルスなどの病原体や体内に生じた異物である腫瘍などを認識し、多種多様な抗体を生産する。病原体などが持つ多数の抗原に対する抗体のみならず、同一の抗原に対しても違う部位(エピト...  抗体医薬の元祖は北里柴三郎とベーリングが1890年に確立した破傷風とジフテリアの血清療法だ。最大の違いは、現在の抗体医薬が単一の抗体(モノクローナル抗体)分子なのに対して、血清療法は多種の抗体が混在するポリクローナル抗体である点。抗体医薬の開発では、当然ながらモノクローナル抗体の商品化が進められていたが、ここに大きな落し穴はないのだろうか。これまでモノクローナル抗体とポリクローン抗体の治療効果を厳密に評価した臨床試験は行われてこなかったが、昨年から抗体医薬の併用やポリクローナル抗体の開発に再び脚光が当たってきた。まさに温故知新である。 本来免疫反応は、外部から侵入したウイルスなどの病原体や体内に生じた異物である腫瘍などを認識し、多種多様な抗体を生産する。病原体などが持つ多数の抗原に対する抗体のみならず、同一の抗原に対しても違う部位(エピトープ

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