この国につけるクスリ 社会保障よもやま話
消費税引き上げで起きること
東京福祉大学・大学院教授 喜多村悦史
2011年10月15日号
「社会保障と税の一体改革」の中身が、消費税を10%にすることだったとは……。苦笑するしかない。 消費税とは最終消費者にすべての負担を被せるもの。ただし、消費者に直接納税させるわけではない。中間取引の各事業者が納品価格に消費税率を上乗せし、それを税務署が徴収する仕組みだ。結果、流通の各段階で税率分の価格転嫁が引き起こされる。コンビニのレシートには「本体○円+税△円」と記載されているが、この△円は本体価格○円に税率をかけた金額である。レジで100円支払った場合、本体価格は95円で税が5円ということだ。 税率が5%アップされると税額が変わるから、本体価格は変わらなくても税込価格は引き上げられる。先の例では「本体95円+税10円」となり、消費者の支払額は105円になるわけだ。これが全商品で一斉に生じる。 その際、社会保障給付費用がどうなるか。年金には...
「社会保障と税の一体改革」の中身が、消費税を10%にすることだったとは……。苦笑するしかない。 消費税とは最終消費者にすべての負担を被せるもの。ただし、消費者に直接納税させるわけではない。中間取引の各事業者が納品価格に消費税率を上乗せし、それを税務署が徴収する仕組みだ。結果、流通の各段階で税率分の価格転嫁が引き起こされる。コンビニのレシートには「本体○円+税△円」と記載されているが、この△円は本体価格○円に税率をかけた金額である。レジで100円支払った場合、本体価格は95円で税が5円ということだ。 税率が5%アップされると税額が変わるから、本体価格は変わらなくても税込価格は引き上げられる。先の例では「本体95円+税10円」となり、消費者の支払額は105円になるわけだ。これが全商品で一斉に生じる。 その際、社会保障給付費用がどうなるか。年金には物価
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