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薬剤経済学

有効性比較研究の実際

第43回 急性心不全の利尿剤投与戦略の比較

2011年10月1日号

 有効性比較研究が、競い合う療法間の優劣を見定める結論を導くとは限らない。米国立心肺血液研究所心不全臨床研究ネットワークが行った「急性代償性心不全患者に対する利尿剤戦略」(DOSE研究)は、そうした一例である。 代償不能な、急で激しい心機能の低下により呼吸困難、ショック症状を示して入院した患者に対するループ利尿剤フルセミドの最適投与法を問う臨床試験の報告だ。急速な点滴(間歇的)を12時間置きと持続的な点滴、入院前の経口剤服用量と同量の低用量の点滴とその2.5倍の高用量投与という2つのセット、4グループに米加26施設の308人をランダムに割り振って、60日間の推移が観察されている。 しかし、投与間隔、投与量とも、患者の包括的症状評価(GAS)で測った有効性、血清クレアチニン値の変化で見た安全性に著しい違いは認められなかった(ニューイングランド・ジャーナ...  有効性比較研究が、競い合う療法間の優劣を見定める結論を導くとは限らない。米国立心肺血液研究所心不全臨床研究ネットワークが行った「急性代償性心不全患者に対する利尿剤戦略」(DOSE研究)は、そうした一例である。 代償不能な、急で激しい心機能の低下により呼吸困難、ショック症状を示して入院した患者に対するループ利尿剤フルセミドの最適投与法を問う臨床試験の報告だ。急速な点滴(間歇的)を12時間置きと持続的な点滴、入院前の経口剤服用量と同量の低用量の点滴とその2.5倍の高用量投与という2つのセット、4グループに米加26施設の308人をランダムに割り振って、60日間の推移が観察されている。 しかし、投与間隔、投与量とも、患者の包括的症状評価(GAS)で測った有効性、血清クレアチニン値の変化で見た安全性に著しい違いは認められなかった(ニューイングランド・ジャーナル・

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