医薬経済オンライン

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時流遡航

東日本大震災の深層を見つめて

第3回

ジャーナリスト 本田成親

2011年10月1日号

 田老大防潮堤の直下近くに見つけた空き地に車を止めると、我われは防潮堤内側に設けられた階段を駆け上りその上に立った。総延長2433m、海面からの高さ10mにも及ぶ田老の防潮堤は二重の構造を持ち、田老湾側に向かって「逆への字型」に大きく両端が伸び開く外側堤防の最上部は、海側に突き出る「波返し構造」になっていた。一方、内側の堤防は田老集落の中心に向かって「への字型」に大きく湾曲しており、こちらは断面が「ハの字型」のどっしりとした構造になっていて、外側の堤防よりも遥かに頑丈な設計が施されていた。それら両堤防は、それぞれの「への字型」の頂点に当たる中央部で互いに接するように配置されていた。大まかには、横方向に長く伸び出た扁平X字型の構造を想像してもらえればよいだろう。波高20mもの今回の大津波は、日本一とも謳われたその二重防潮堤を軽々と乗り越え、田...  田老大防潮堤の直下近くに見つけた空き地に車を止めると、我われは防潮堤内側に設けられた階段を駆け上りその上に立った。総延長2433m、海面からの高さ10mにも及ぶ田老の防潮堤は二重の構造を持ち、田老湾側に向かって「逆への字型」に大きく両端が伸び開く外側堤防の最上部は、海側に突き出る「波返し構造」になっていた。一方、内側の堤防は田老集落の中心に向かって「への字型」に大きく湾曲しており、こちらは断面が「ハの字型」のどっしりとした構造になっていて、外側の堤防よりも遥かに頑丈な設計が施されていた。それら両堤防は、それぞれの「への字型」の頂点に当たる中央部で互いに接するように配置されていた。大まかには、横方向に長く伸び出た扁平X字型の構造を想像してもらえればよいだろう。波高20mもの今回の大津波は、日本一とも謳われたその二重防潮堤を軽々と乗り越え、田老の

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