医薬経済オンライン

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世界の医薬品業界

高薬価が行き詰まるドイツ

第54回

医薬評論家 五條正也

2011年9月15日号

 ベーリンガーインゲルハイムのDPP4阻害剤で、イーライリリーと世界的に共同販促している「トラゼンタ」(一般名リナグリプチン)は、米国では今年5月に発売され、日本では7月に承認された。用量は5㎎のみで、米国では卸価格が6. 77ドルに設定されている。薬局では9ドル弱で販売されており、25〜100㎎とも7. 5ドル程度で販売されているジャヌビアより2割近く高い。これはトラゼンタが便中に未変化体のまま排泄される世界初の胆汁排泄型選択的DPP4阻害剤で、2型糖尿病患者に多くみられる腎機能低下患者にも処方でき、用量調節の必要がないためで、その優位性を価格に反映させている。 一方、EMA(欧州医薬品庁)は8月25日に承認。2日後の27日には自由薬価の英国で発売した。しかし、9月2日、両社はEU最大市場のドイツでは当面発売せず、トラゼンタの治療上のベネフィットや優位性が...  ベーリンガーインゲルハイムのDPP4阻害剤で、イーライリリーと世界的に共同販促している「トラゼンタ」(一般名リナグリプチン)は、米国では今年5月に発売され、日本では7月に承認された。用量は5㎎のみで、米国では卸価格が6. 77ドルに設定されている。薬局では9ドル弱で販売されており、25〜100㎎とも7. 5ドル程度で販売されているジャヌビアより2割近く高い。これはトラゼンタが便中に未変化体のまま排泄される世界初の胆汁排泄型選択的DPP4阻害剤で、2型糖尿病患者に多くみられる腎機能低下患者にも処方でき、用量調節の必要がないためで、その優位性を価格に反映させている。 一方、EMA(欧州医薬品庁)は8月25日に承認。2日後の27日には自由薬価の英国で発売した。しかし、9月2日、両社はEU最大市場のドイツでは当面発売せず、トラゼンタの治療上のベネフィットや優位性が十

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