医薬経済オンライン

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時流遡航

東日本大震災の深層を見つめて

第2回

ジャーナリスト 本田成親

2011年9月15日号

 2ヵ月前の大地震や大津波の来襲など別世界の出来事だったのではないかと思われるほどに、5月の東北路一帯は明るく輝きわたる若緑の絨毯に覆い尽くされていた。  東北自動車道を盛岡インターで降りた我われは、市内を一気に通過すると東に向かう国道455号に入り、まずは陸中海岸国定公園の一角を占める岩泉町の小本浜方面をめざすことにした。三陸海岸を南北に走る国道45号に岩泉町小本付近で合流し、その後、同国道伝いに宮城、福島方面まで海岸線を南下しようという算段だった。  盛岡を過ぎ玉山牧場などのある山間部に入ると、柔らかな緑の放つ眩いばかりの息吹に我われの心はただただ幻惑されるばかりとなった。折からの陽光に青く煌めく岩洞湖岸を経た後、早坂峠を越え、一面に水芭蕉の咲き誇る早坂高原に差し掛かる頃には、行く手に待ち受けるはずの凄惨な光景など...  2ヵ月前の大地震や大津波の来襲など別世界の出来事だったのではないかと思われるほどに、5月の東北路一帯は明るく輝きわたる若緑の絨毯に覆い尽くされていた。  東北自動車道を盛岡インターで降りた我われは、市内を一気に通過すると東に向かう国道455号に入り、まずは陸中海岸国定公園の一角を占める岩泉町の小本浜方面をめざすことにした。三陸海岸を南北に走る国道45号に岩泉町小本付近で合流し、その後、同国道伝いに宮城、福島方面まで海岸線を南下しようという算段だった。  盛岡を過ぎ玉山牧場などのある山間部に入ると、柔らかな緑の放つ眩いばかりの息吹に我われの心はただただ幻惑されるばかりとなった。折からの陽光に青く煌めく岩洞湖岸を経た後、早坂峠を越え、一面に水芭蕉の咲き誇る早坂高原に差し掛かる頃には、行く手に待ち受けるはずの凄惨な光景などつ

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