薬剤経済学
有効性比較研究の実際
第41回 メーカーの望まない比較研究実施の隘路
2011年9月1日号
有効性直接比較研究(CER)の体制整備が進むなかで、先駆けとして名を刻んだCATTは、同じジェネンテックの兄弟ブランド、血管新生を妨げる2つの抗VEGF剤を比べる特異な例である。「アバスチン」(ベバシズマブ)を専門薬局が小分けし、加齢性黄斑変性(AMD)治療用にアレンジして届けると注射薬は月40ドルで済む。アバスチンも高額製剤の代表格だが、少量でいい眼科用は数十人に分割される。 眼科専用の「ルセンティス」(ラニビズマブ)は開発に11年、11億ドルを投じた(関連プロジェクト分を含む)。ジェネンテックは1回2000ドル近い価値を主張した。視力回復効果に異論はなく、安価なオフラベル用途の供給がなければ、ルセンティスは渋々でも受け入れられたろう。一方、価格次第では眼科用アバスチンは消えていた可能性もある。 米国のCERは経済学的評価へ踏み込むことに慎重だ...
有効性直接比較研究(CER)の体制整備が進むなかで、先駆けとして名を刻んだCATTは、同じジェネンテックの兄弟ブランド、血管新生を妨げる2つの抗VEGF剤を比べる特異な例である。「アバスチン」(ベバシズマブ)を専門薬局が小分けし、加齢性黄斑変性(AMD)治療用にアレンジして届けると注射薬は月40ドルで済む。アバスチンも高額製剤の代表格だが、少量でいい眼科用は数十人に分割される。 眼科専用の「ルセンティス」(ラニビズマブ)は開発に11年、11億ドルを投じた(関連プロジェクト分を含む)。ジェネンテックは1回2000ドル近い価値を主張した。視力回復効果に異論はなく、安価なオフラベル用途の供給がなければ、ルセンティスは渋々でも受け入れられたろう。一方、価格次第では眼科用アバスチンは消えていた可能性もある。 米国のCERは経済学的評価へ踏み込むことに慎重だが、
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