暑い熱い夏─ソコロ砂漠1979 | 医薬経済オンライン

From Local to Global　私と公衆衛生

暑い熱い夏─ソコロ砂漠1979

第35回

日本尊厳死協会副理事長　岩尾總一郎（元厚労省医政局長）

2011年9月1日号

　節電の夏を強いられている。そこで今回は私の体験した最も暑い熱い夏のお話──。　78年6月、留学のために渡米し、9月からテキサス大学ヒューストン校公衆衛生学部の大学院生として「都市と健康（Urban Health）」をテーマに環境の変化と人間の適応を研究した。約1年が経過したところだった。　年間必修授業12単位のうち1単位を落とし、この夏にクリアしておかないと秋からの新学期にしわ寄せが来る。たまたま、夏期授業のカリキュラムに「生態学実習をニューメキシコ州のソコロ砂漠で行うので参加者を募集する」という掲示があった。日本の夏に勝るとも劣らない高温多湿のヒューストンにいるより、乾燥砂漠のニューメキシコのほうが、まだましかもしれない。そう考えて、この実習に参加することにした。　実習の指導者は、人類生態学教室講師のジーン・シュレーダー先生だ。ニューメキシコ大学で博士号... 　節電の夏を強いられている。そこで今回は私の体験した最も暑い熱い夏のお話──。　78年6月、留学のために渡米し、9月からテキサス大学ヒューストン校公衆衛生学部の大学院生として「都市と健康（Urban Health）」をテーマに環境の変化と人間の適応を研究した。約1年が経過したところだった。　年間必修授業12単位のうち1単位を落とし、この夏にクリアしておかないと秋からの新学期にしわ寄せが来る。たまたま、夏期授業のカリキュラムに「生態学実習をニューメキシコ州のソコロ砂漠で行うので参加者を募集する」という掲示があった。日本の夏に勝るとも劣らない高温多湿のヒューストンにいるより、乾燥砂漠のニューメキシコのほうが、まだましかもしれない。そう考えて、この実習に参加することにした。　実習の指導者は、人類生態学教室講師のジーン・シュレーダー先生だ。ニューメキシコ大学で博士号を

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